©池田理代子プロダクション
それは、まさに“革命”だった―。
はじめに
革命期のフランスを舞台に、男装の麗人オスカルと悲劇の王妃マリー・アントワネットが織りなす激しく美しい運命の物語。"歴史ものは当たらない"との当時の少女マンガ界の常識を覆した金字塔『ベルサイユのばら』が誕生してから50周年を迎えます。
連載中から読者の熱狂的な支持を集めた本作は、その後、宝塚歌劇で舞台化され空前の『ベルばら』ブームを巻き起こします。さらにTVアニメ化もされ、今もなお世代を超えて愛され続けています。
本展では、貴重な原画の展示を中心に、この不朽の名作の軌跡をたどります。
みどころ
息遣いを残す連載当時の原画
まず本展では、名作誕生のきっかけをひもときます。20歳で漫画家デビューして以来、長年温めていた題材を発表するチャンスを得た池田理代子氏。選んだ題材は当時としては異例の歴史もの…マリー・アントワネットの生涯でした。「絶対にヒットさせる」とこのチャンスにかけた池田氏の情熱に迫ります。
作品の主要登場人物の紹介のあとは、いよいよ『ベルサイユのばら』連載当時の原画をご覧いただきます。『ベルばら』は2000頁にも及ぶ長大な物語ですが、本展では、特にマリー・アントワネットとオスカルの二人に焦点を当て、約180点の原画をストーリーに沿って展示します。物語の面白さはもちろん、いきいきとした美しく力強い線や胸に染みるセリフもお楽しみください。また、カラーイラストや当時としては珍しい 2色、4色の貴重な原画もご紹介いたします。
また、本編では描かれなかった秘話や真実を明らかにし、「40年ぶりの新刊」として話題になった『ベルサイユのばら エピソード編』の原画も公開します。池田氏の作品に込めた思いや、連載の舞台裏などのエピソードも紹介し、より深く「ベルばら」の世界を感じていただけます。
©池田理代子プロダクション
宝塚歌劇、TVアニメ-それぞれの魅力に迫る
1974年8月、宝塚大劇場(兵庫県)で上演された宝塚歌劇版「ベルサイユのばら」。続く11月には東京公演が始まり、空前の「ベルばら」ブームを巻き起こしました。その後も繰り返し再演され、2014年には通算動員観客数500万人を記録した宝塚歌劇を代表する作品です。
また、1979年には、日本テレビ系列局でアニメ「ベルサイユのばら」が全40話で放送開始されました。制作には、監督にTVアニメ「巨人の星」を手掛けた長浜忠夫氏とTVアニメ「あしたのジョー」の出﨑統氏(19話から交代)、キャラクターデザインは荒木伸吾氏・姫野美智氏と、当時のアニメ界が誇るスタッフが結集。オープニング主題歌「薔薇は美しく散る」が大ヒットするなど、放送当時から話題を呼びました。その後も再放送を重ね、2021年から22年にかけてはコンプリートDVDブックが発売されるなど、今も根強い人気を誇ります。
原作との違いなどを紹介しながら、宝塚歌劇とTVアニメの「ベルサイユのばら」、それぞれの持つ独自の魅力に迫ります。
※神戸会場、高知会場では宝塚歌劇の「ベルサイユのばら」の展示はございません。
作品紹介
©池田理代子プロダクション/集英社
『ベルサイユのばら』は、1972年4月から1973年12月まで、少女マンガ誌「週刊マーガレット」(現「マーガレット」、(株)集英社)に連載されました。
池田氏は高校生の時、シュテファン・ツヴァイクによる悲劇のフランス王妃の伝記『マリー・アントワネット』を読んで感銘を受けました。「いつかアントワネットの生涯を何らかの形で描きたい」と思い続け、ついに24歳の時に『ベルサイユのばら』を発表しました。
「フランス革命を勉強するなら『ベルばら』を読め」とまで言われるほど、池田氏の徹底した歴史取材に基づいた物語は読者を深く感動させるものがあります。特にマリー・アントワネットが無邪気な女性から人間として成長していく姿は秀逸です。そこに、池田氏が創作した女として生まれながらも軍人として生きる男装の麗人・オスカルが登場し、二人の女性の対照的な人生を軸に物語は展開します。さらに多彩な登場人物が加わり、革命という激動の時代の波の中で、それぞれの運命を生きる大群像劇に仕立てました。
池田理代子 プロフィール
1947年大阪府生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)在学中の67年、漫画家デビュー。72年、『ベルサイユのばら』の連載を開始。2000万部以上を売り上げる大ヒット作となる。80年『オルフェウスの窓』で第9回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。2009年には、日仏文化交流への貢献を称え、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエが授与された。1995年には47歳で東京音楽大学声楽科に入学。卒業後は声楽家としても舞台、CDなどで活躍するほか、オペラのプロデュースなども手掛けている。また歌人として、第一歌集『寂しき骨』を上梓。『塔短歌会』同人。
本展開催にあたってのコメント
50年とは遥か昔のことのようではありますが、『ベルサイユのばら』という作品が親から子へ、そして孫へと読み継がれているという、連載中にはとても想像できなかった夢のような幸福を与えられ、作者としてはすべてに感謝したい気持ちです。出版社は勿論のこと、宝塚歌劇団、アニメーション会社等々、事あるごとに盛り上げて頂きました。
そして今、このようなコロナ禍にあって、関係者の皆様には50周年展を開催し、祝って下さることに心より御礼申し上げます。
一人でも多くのファンの方に楽しんで頂けることを願いつつ。
神戸会場
※神戸会場では宝塚歌劇の「ベルサイユのばら」の展示はございません。
展示原画枚数に変更はございませんが、一部展示内容が変更となっております。
会 期 2024年8月21日(水)~9月2日(月)
営業時間:午前10時~午後8時
※会期中無休
※催し最終日は午後5時終了
※入場は終了時間の30分前まで
会 場 神戸阪急 本館9階催場
兵庫県神戸市中央区小野柄通8-1-8
主 催 神戸阪急、産経新聞社
後 援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
協 力 池田理代子プロダクション、(株)集英社、(株)トムス・エンタテインメント
企画協力 メイプル
入場料
一般・大学生:1,300円(前売り1,100円)
高校・中学生:900円(前売り800円)
※小学生以下は無料
※料金はすべて税込
※障がい者手帳をご呈示いただいたご本人様、並びにご同伴1名様まで入場無料
東京会場
会 期 2022年9月17日(土)~11月20日(日)
会 場 東京シティビュー[六本木ヒルズ森タワー52F]
主 催 東京シティビュー、産経新聞社
後 援 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本、J-WAVE、TOKYO MX
協 力 池田理代子プロダクション、(株)集英社、(株)トムス・エンタテインメント、
阪急電鉄(株)、宝塚歌劇団、(株)宝塚クリエイティブアーツ、(株)宝塚舞台、
(株)広真
企画協力 メイプル
大阪会場
会 期 2022年11月30日(水)~12月12日(月)
会 場 阪急うめだ本店 9階阪急うめだギャラリー
主 催 阪急うめだ本店、産経新聞社
後 援 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本
協 力 池田理代子プロダクション、(株)集英社、(株)トムス・エンタテインメント、阪急電鉄(株)、宝塚歌劇団、(株)宝塚クリエイティブアーツ、(株)宝塚舞台
企画協力 メイプル
高知会場
※高知会場では宝塚歌劇の「ベルサイユのばら」の展示はございません。
展示原画枚数に変更はございませんが、一部展示内容が変更となっております。
会 期 2023年4月8日(土)~6月18日(日)※会期中無休
会 場 高知県立文学館 2階企画展示室
主 催 高知県立文学館(公益財団法人 高知県文化財団)、産経新聞社
後 援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、オーテピア高知図書館(高知県立図書館、高知市立市民図書館)、認定NPO法人高知こどもの図書館、高知大学、高知県立大学、高知県教育委員会、高知市教育委員会、高知県高等学校文化連盟、高知新聞社、朝日新聞高知総局、毎日新聞高知支局、読売新聞高知支局、NHK高知放送局、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ、KCB高知ケーブルテレビ、エフエム高知、高知シティFM放送、高知県・高知市商店街振興組合連合会、公益財団法人 高知県観光コンベンション協会、公益社団法人 高知市観光協会、公益財団法人 高知勤労者福祉サービスセンター、四国旅客鉄道株式会社、土佐くろしお鉄道株式会社、とさでん交通株式会社
※順不同
協 力 池田理代子プロダクション、(株)集英社、(株)トムス・エンタテインメント
企画協力 メイプル